東日本大震災と個のリスクマネジメント

リスクマネジメント

2011年3月11日、私は柏から常磐線に乗って次のアポイント先であった松戸へ向かっていました。北松戸から松戸への車中、列車が緊急停止、大きく揺れました。一番恐怖を感じたのは、車窓から見えた戸建て住宅でした。大学を卒業し、最初に入社した会社がハウスメーカーであったため、新人研修で震度7の揺れを研究所で体験していました。それに匹敵するくらい、戸建て住宅が躍るように揺れているのを見てすぐにやばいと感じました。

 

長い時間、その場に停車していたので、自宅に電話しましたがすでにつながらず、何とか大阪に住んでいる父とメールがつながり、状況を聞きました。東北地方が震源で津波が押し寄せているという情報をもらい、電車は動かないなと悟りました。

 

案の定、線路の上を北松戸方面に歩かされ何とか、駅にたどり着いたものの唯一の交通手段はバス、タクシーのみという状況でした。何とか松戸駅まで行けばバス便も多く、タクシーもつかまりやすいだろうという淡い期待で松戸駅へ。しかし、タクシー乗り場もバス乗り場も長蛇の列を作っていました。

 

当時住んでいたのが大江戸線の光が丘でした。始発駅でもあり、座って通勤でき、子育てするには最高の環境と聞いていました。また、大江戸線は一番深いところを走っており、大震災が起こっても止まらないということを聞いたことも選んだ理由であったことを思い出し、交通各社の情報を携帯で確認したところ、やはり大江戸線が最初に動き出したことを知りました。途中長い距離を歩きましたが、何とか深夜2時に自宅へたどり着くことができました。

 

帰れなかった方が多くいた中、本当に幸運だったと思います。1週間後に訪問したお客様宅で、震災の日、大混雑した電車に乗り、やっとの思いで帰ってきたご主人が、翌日お亡くなりになったと聞きました。医師からは極度のストレスが原因と言われたそうです。

 

人はストレスによって、心身が弱っていきます。ストレスの原因は人それぞれだと思いますが、共通しているのは「不安」ではないでしょうか。「不安」にも種類がたくさんありますが、東日本大震災を例に挙げるならば、近い将来、首都圏直下の大震災が起こると言われても、現実に起こっていないので不安に感じる人もいれば、いない人もいます。

 

ただし、実際東日本大震災が発生し、津波で多くの人の命が奪われ、しかも原発の放射能漏れという現実に直面した時、自分事として考えるようになり不安からストレスを感じます。しかし、これが関西以西の人達も同じストレスを感じたかというと、直接の被害を受けたわけではないため、不安を感じるレベルも違っていたはずです。

 

リスクマネジメント研修の多くは企業の中で起こる事象に対してどのようにマネジメントするかを学びます。しかし、個々人のリスクマネジメントも企業以上に大切であることを私の研修では伝えています。企業に起こる事象であっても動くのは個々人であり、その個人が大きなストレスを抱えてしまってはリスクを回避していくことが難しくなるからです。

 

今年の3月11日は今までの3月11日とは少し感じ方が違うのは私だけではないと思います。全世界に広がるコロナウイルスによって、世界中の人々が大きなストレスを抱えてしまっています。経済的な打撃もこれから顕在化していくため、考えただけで恐ろしくなります。

 

日本政府としては、無利子で融資を援助しますと発表しておりますが、お金を借りたらいくら無利子であっても元本は返済する必要があります。将来の状況が予想できない以上、返済する見込みがなければ借りることもできません。

 

フリーランスの経験がない人達にはフリーランスの生活はわからないでしょう。限られた財源の中で捻出することも厳しいと思いますが、もう少し国民に寄り添った支援を打ち出してもらいたいと思います。これまで批判の多かったトランプ大統領ですが、このような状況になっても大きく構えて、大きな支援を打ち出す姿勢は安倍首相に見習って欲しいと切に願います。

 

一国のリーダーには、我々一般人には想像すらできないストレスがかかっていると思います。しかし、リーダーが思い切って指揮をとることでしか、この状況を打破できないのではないでしょうか。

 

とにかく個々人がストレスを貯めないためにも、これからの日本がどうなるのか、冷静に考え、生き抜くために必要なことを学んでみる等、不安に思っていることを書き出し、1つ1つつぶしていく作業をやってみることをお勧めします。

 

東日本大震災は「1000年に1度」のタイミングと報道されていたこともありました。新型コロナウイルスもそうですが、このタイミングで生まれ合わせたことを嘆くのではなく、大災害や感染症の中でも生かしてもらえているということは、自分には何か使命があると捉え、ポジティブに行動していきたいと思います。

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