リスクマネジメント及びリーダーシップを中心に研修講師として、登壇してきた私としては、今回の吉本興業、闇営業に始まる一連の報道には、様々思うところがあるので、研修講師ネタ帳でも触れておきたいと思います。
宮迫さん、亮さんの会見にはじまり、ダウンタウン松本さんのツイートから、世論がよしもと悪しに流れ、岡本社長の会見が火に油を注ぐみたいな状況になっています。
そもそも問題は、闇営業と知らなくて参加したお笑い芸人さん達が、お金をもらっていたのにもらっていないと嘘をついたことから事が大きくなってきました。週刊誌の写真を見る限りでは、その場にいれば気付けたのではないかとも思えなくもないと思いましたが、ここは性善説にたち、芸人さん達を信じたいですね。
問題はやはり、企業としての吉本興業の対応ではないでしょうか。そもそもコンプライアンス体制はどうなっているのか、これは大いなる疑問です。
皆さんご存知のように、歴史を溯れば、芸能界と反社とのつながりはあったわけで、時代と共に、法律が出来、切り離されたいったわけです。記憶に新しいのは、当時一世風靡していた島田紳助さんの引退は反社とのつながりが原因でした。
吉本興業に大きな貢献をした大御所をスパッと切る英断をしておきながら、今回の岡本社長の会見に至る経緯を見る限り、何も活かせていないと言わざるを得ません。
島田紳助さんほどの大御所がスパッと切られるのだから、自分も気を付けないと、と多くの芸人さん達が思ったのは間違いないと思いますが、それだけで終わっていたような気がします。
先日、参議院選挙が行われましたが、選挙でも世論をどう読むかという点が議論されたりします。今回、宮迫さんが会見した際、吉本興業側から静観しますという発言があったとのことですが、これについては、はっきりとした事実関係もわからない状況で会見できないという理由はあったと思いますが、報道当初の世論は吉本に対して今ほどのバッシングはなく、どちらかといえば、宮迫さん達に対して、残念という思いが強かったのではないでしょうか。
しかし、想像の中で報道が過熱していき、宮迫さん、亮さんの会見で、事実が開示され、松本さんも聞いていた内容と違うということで、「動きます」というツイートにつながり、世論(風向き)が変わった。
結局、嘘から始まった問題が、世論を巻込み、なあなあでは収まらなくなった。かつて、船場吉兆事件では、産地偽装などの嘘が原因で、廃業に追い込まれました。老舗の吉兆ブランドがあっても信用、信頼を失うともう戻れないという事例です。
スッキリで司会をしている吉本所属の加藤さんが言うように、今回ばかりは、外部から人選してでも上層部は変わるべきだと思いますし、この体制が続く限り、何も変わらないような気がします。
大阪出身の私自身、吉本興業の芸人さん達は大好きですし、小さい頃から笑かしてもらいました。吉本がなくなるということは、考えられないので、松本さんも加藤さんも吉本芸人として、残れるよう会長、社長には自身の進退を英断してもらいたいと思います。